リノール酸は本当に体にいいの?体に良い油とは?Vol.1
リノール酸は本当に体にいいの?
必須脂肪酸のリノール酸はLDLコレステロール(悪玉)を減らしてくれると救世主のよう言われて、今や食用油の成分の主流になっています。しかし、LDLコレステロール低下作用も実は短期的なもので、長期間多く摂取すると、HDLコレステロール(善玉)も低下させて、ガンや脳・心筋梗塞、アレルギーの原因になることがわかってきました。
まずは油についての基礎知識
油は常温で液体のものを油、固体のものを油脂といいます。
また、用途によって食用、燃料用、工業用に分けられます。
今回は健康に直接関係してくる食用油について説明します。
【食用油】
油は脂肪酸とグリセリンの化合物です。
この脂肪酸は化学的にいうと炭素(C)と水素(H)と酸素(O)の原子で構成されています。これら原子のつながり方によって脂肪酸の種類や性質が決まってきます。
炭素と炭素のつながりが、1本の手でつながっているものは飽和脂肪酸、2本の手でつながっている(二重結合)のは不飽和脂肪酸といいます。
【脂肪酸の種類】
固体の肉の脂は飽和脂肪酸です。摂り過ぎは、肥満や心臓血管系疾患の原因になります。
液体の植物油や魚の油などは不飽和脂肪酸です。これまでは全ての不飽和脂肪酸がLDLコレステロール(悪玉)を減らしてくれると思われていました。
不飽和脂肪酸は二重結合が1つしかないものを一価不飽和脂肪酸、二重結合が二つ以上あるものを多価不飽和脂肪酸といいます。
少し難しくなりますが、不飽和脂肪酸の中でも鎖状に結合した3個目の炭素に二重結合があるものをn-3(オメガ3)系脂肪酸、6個目の炭素に二重結合があるものを、n-6(オメガ6)系脂肪酸、9個目の炭素に二重結合があるものをn-9(オメガ9)系脂肪酸といいます。
これらの不飽和脂肪酸の分類が、後ほどの対処法でのところで重要になってきますので、もう少しお付き合い下さい。
不飽和脂肪酸の代表的なものは
(オメガ3系)α-リノレン酸
ドコサヘキサエン酸(DHA)
エイコサペンタエン酸(EPA)
(オメガ6系)リノール酸
アラキドン酸
γ-リノレン酸
(オメガ9系)オレイン酸
この中でオメガ3とオメガ6は必須脂肪酸といい、
生体内では合成出来ないため、食物によって摂取する必要が
ある脂肪酸です。
【日頃使っている油はリノール酸で溢れてる】
私たちが料理で使っている油は大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、ベニ花油、ごま油、オリーブ油などには上記の脂肪酸が含まれているわけです。
日頃、料理をする時に使っているサラダ油は大豆油、コーン油などで調合されています。マーガリンやマヨネーズの多くはコーン油で作られています。これらの油の脂肪酸はリノール酸がたくさん含まれています。
リノール酸(オメガ6系)を多く含む油は大量生産がしやすく、安価であるため、家庭用の食用油のみならず、外食産業や食品加工の工場でも使われています
私たちは知らないうちにリノール酸を多量に摂る環境にいるわけです。
冒頭に書いたようにリノール酸を多量に摂る事は、いろいろな病気を引き起こす原因となります。